「魔法の敵(マジェスティック・エネミー)」

 『魔法大典』が魔法の社会への普及を目指すものであるのに対して、その大義に反する存在を全ての魔法使いの敵、「魔法の敵」と総称している。


 全ての『魔法大典』に従う魔法使いは「魔法の敵」と闘うことを宣誓する。これは魔法を目の敵にし、誤った知識を世間に植えつけようとする卑劣なテロリストとの、知的戦争である。

 マジェスティック・エネミー No.1
 仁科 紗絵子
 所有デバイスキセルターク
 デバイス・タイプ:レジェンダリ
 思想度:S
 危険度:S
 脅威度:S
 警戒度:C
 全ての魔法を異端と断じ、世界から一切の神秘を駆逐することを宣言する『魔法の敵』そのものである。
 全ての反魔法勢力の思想的中心であり、世界に二つしか確認されていないレジェンダリ・デバイスの一つ「キセルターク」の契約者である。
 その思想は狂気と幻想の産物で評価するに値しない。彼女は自身の狂気が支配する範囲において常識的な人物であり、また、その理性的な反応が多くの支持者を集めている。また、振るう魔術も脅威的で、本来魔術ではありえない現象を扱うため、魔法を深く研究するものの中にも「彼女の主張の正当性を議論するべきでは?」と言う意見が絶えない。
 『魔法大典』では、魔法の普及のためにも彼女の速やかなる排除に努めているが、そのレジェンダリ・デバイスは圧倒的であり、いまだ実現できていない。
 警戒度がCである所以は、いまだ直接的な戦闘で彼女の被害にあったものがいないためである。現在の魔術水準で編成された部隊では、彼女の手加減をした現象を乗り越えるにいたっていない。
 そう、現実問題として、いまだ人は彼女と敵対しうる領域に手が届かずにいる。
 彼女の第一義的な標的はレジェンダリ・デバイスデウス・エクス・マギカ』である。『デウス・エクス・マギカ』はインテリジェント・デバイスを生み出す魔法使いの存在の根幹であり、『魔法大典』にとって守護すべき存在である。しかし、両者の戦闘に介入することは危険であり、両者の戦闘に介入するよりも民間人の避難や被害の極限に努めるべきである。
 彼女は反魔法組織「帝国近衛第19保護世界駐屯所」の指導的地位にある。