少し私事を書こうと思う
ちょっと個人の経歴バレするかもしれないけど、スルーな方向でよろしく。
先々週のことになる。早いな。もう二週間たつのか。
友人が死んだ。
金曜の朝には連絡があったのだが、仕事にかまけて携帯に気付かず、夕方、会議明けに携帯が鳴ってそれを知った。
わざわざ朝一に知らせてくれていたのに、それも知らずにのほほんと仕事していたわけだ。
まぁ、それでよかったと、今になっては思える。その後の残業はずいぶん殺伐としていたらしい。
その段階で翌日の休出は決まっていたので、土曜の通夜は参加せず、日曜の葬儀に大阪へ行って戻って来た。
あいつとの付き合いはもう二十年になる。
初めて知り合ったのが、遊演体のネット90「蓬莱学園の冒険」というPBMだった。互いの顔も知らずに、ただ毎月、情報交換して馬鹿な話を郵便でやりとりしていた。終わったときには革命万歳とか言って、次はイタ公抜きでやろう、とか言っていた。
まさか、ホビーデータのクレギオンでばったり会うとは思わなかった。
いや、ゲーマーの業は深い。確かにPBM勃興期。毎月の刺激に飢えていた身としては、ホビデがやるとの広告にほいほい参加したが、プライベートの情報交換誌に参加した先で連絡一覧にはどこかで見た名前が。
おまえか! わたしだ!
まぁ、大阪までその情報交換誌のプライベートイベントに参加して、ま、ぶっちゃけ飲み会だが、そのまま家におじゃましてすっかり馴染んでいた気がする。それからは積極的に遊びに行って、ずいぶんと傍若無人に押しかけては、相手をしてもらっていた覚えがある。
いかんな。迷惑をかけてばっかだ。
それから何年かして、あいつではなく別のそっちの友人から連絡が入った。
文章を書ける人間が足りなくて困ってます。マスターをやってもらえませんか。
おいおい、こっちは東京だぜ。そう思って訪ねてみると、あいつを含めて七人で金出し合ってメールゲームの会社を作ったとのこと。P1と呼ばれたゲームの話を聞いて、まぁ、仕方がない。立ち上げだし、協力するか、と月一大阪まで通って、二世界間の連携話を作って共有NPC出しをして話を詰めて*1、月に一回体調が悪くなって有休を使って*2、終わらなくて手を引いちゃった奴の原稿まで引き取って*3続きを書いて纏めて、終わったときには赤ばっか残って、そんな会社を引き取って身の丈にあったゲームをしようと言ったのがあいつだった。
さすがに連続でできるわけもなく、P2からは客側に回ったのだけど、P3が終わる前に、あいつから次のワールド作りませんかという依頼が。ようやく借金返済です。そう嬉しそうに電話してきたついでのお誘いだった。
さすがに自分の趣味が万人向きではないことはよくわかっている上に、東京-大阪の連携は難しいから、と渋っていたのをサブマス立てて、マスターのサポートはスタッフがやるとのことでP4*4のグランドマスターを引き受けた。ワールドセッティングに半年かけて、また、ずいぶん迷惑をかけた気がする*5。ほのぼの系のマスターさんはスタッフが俺の毒が移らないよう隔離して、毒毒系はさらに真っ黒に突っ走って、ずいぶんと好きにやらせてもらったものだ*6。
その後も無借金経営に切り替えて、これでいつでも潰せます、はっはっは、と身の丈にあったゲームを続けていた。たまに、機械処理のゲームをやりたいんでできませんか、とか言ってきたので、格安でスクリプトベースの処理系作って渡して*7、遅いからと言うことで C++/CLI で書き直して、さらにバージョンアップということで C# で書き直して*8、お礼ということでエロゲーが大量に送られてきて*9、同人でクトゥルフ系のエログロゲームが作りたいとか、アイマスのイベントコンサートに行ってきました、いいだろうとか、子供ができたんで結婚しますとか、そんな話を電話でしたのが最後だった。
たぶん、俺が薄情なんだと思う。
あいつが死んで、哀しいと言うより憤りを感じている。身近にいなかった俺がそれを口にするのは筋違いだし、もっといろんな思いに駆られている人たちもいるだろうから、言えない。
二週間がたつ。まだ、燻っている。
どうして、と。
つまらない雑文だった。すまない。
追記、二歳の娘さん、かわいかったです。奥さんと話したけど、あいつに(いい方に)似てるよねって。
畜生。